外装工事の現場調査へ行ってきました!
高槻市にて、外装工事をお考えのお客様より、お問い合わせがあり現場調査へ行ってまいりました。
2階建ての集合住宅の外壁塗装・屋根塗装のご依頼でした。
まず、外壁の方調査をしていきます。
コーキングが黒くなっていますね。これは、ブリード現象と言います。
コーキングには、柔らかくして加工しやすくする為に可塑剤というものが入っています。
コーキング材と塗料の相性が悪いと、この可塑剤が表面に浮き上がってきます。これを「ブリード現象」と言います。
可塑剤が表面に浮き出てしまうと、塗料と反応したり汚れを吸収することで、黒く変色してしまいます。
ブリード現象が起こると、可塑剤が無くなる為、コーキングが硬くなり目地の痩せを引き起こしてしまいます。
近年はブリード現象が起きにくい「ノンブリードタイプ」のコーキングもあります。
痩せてしまっている) 可塑剤が溶け出すと、コーキング自体が痩せてしまいます。薄く硬く弾力が無くなっている状態なので、遅かれ早かれヒビが発生します。
目地から剥離している) タイルやボードなどの建材との間に完全な隙間ができてしまう状態です。剥離してしまう原因は、施工から数年しかたっていない場合は、プライマー(接着剤)の塗り忘れや、下処理をせずそのまま施工したなどの施工不良が原因です。10年以上経過した場合は経年劣化と考えられます。※防水機能が失われている状態です。
ひび割れてしまっている) コーキングの真ん中に細かくひび割れが入っている状態です。経年劣化で起こるもので、その部分のコーキングの寿命を表しています。地震や地盤沈下などで建物が大きく歪んだ場合は、耐えきれずひび割れる場合もあります。台風などの強風でも部分的に大きく歪んで破断する場合があります。※防水機能が失われている状態です。
コーキングの劣化の原因の一つは、紫外線です。
紫外線は劣化の大きい原因になります。紫外線により、材料そのものが変質してしまいます。そのためコーキング材の中には、紫外線吸収剤などの添加剤が入っていますが、
この添加剤が目地の動きなどによって表面に出てしまうと劣化が加速してしまいます。
二つ目は、変形の繰り返しです。地震や熱による建材の膨張・伸縮を吸収し建材が割れてしまうことを防ぐために使われています。
外壁は、耐久性に優れていますが、柔軟性には乏しい材料で作られているので、目地(隙間)がないと、動いた瞬間に割れてしまいます。
目地の隙間をコーキングが埋めていて、建物の変形に合わせて伸縮します。伸縮を繰り返すと、コーキング内部の添加剤が徐々に外に滲み出てしまいます。それが先ほど説明しましたブリード現象です。
そうすると添加剤が減ってしまうと紫外線による劣化が加速しますし、柔軟性も失われていきます。その結果ひび割れやなど異常が発生しやすくなります。
三つ目は、施工不良です。メーカー想定耐用年数(5~10年)よりもコーキングの劣化が早い場合は、施工時のミスが原因かもしれません。
充填する建材との相性や、上から塗装する塗料との相性が適していないと耐用年数より早く劣化してしまうことがあります。
また、二液タイプのコーキング材料の場合は、専用の器具でしっかりと撹拌する必要がありますが、専用器具を用いていなかったり、時間が規定時間より短かったりして十分に
撹拌できないとうまく硬化せずベトベトドロドロになってしまいます。これを除去するにも非常に時間がかかり、補修する場合のコストが増加してしまいます。
材料の劣化ではありませんが、コーキングを充填する前に行う下処理がきちんとできていない場合には、コーキング全体が剥がれてしまったり、充填する量が少なく
必要な厚みが足りない場合は、すぐに破断してしまう場合もあります。
施工不良の場合は、すぐに施工会社に連絡して対応してもらいましょう。