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見積書の見方
【№2】
見積明細の項目は基本的には以下のようになっています。付帯塗装工事もできるだけ細かく書く方が
どこの部分を塗るか工程はどうなっているのか。わかりやすく書くことで後々のトラブルが避けられます。
塗装工事のトラブルで一番多いのは付帯部塗装でどこの部分まで塗るかが明記されていない木部
一式等の見積書です。そのような見積書を提示された場合は、遠慮することなく、もう一度作り直して
もらいましょう。
[足場]
足場作業は仮設足場の組立です。外壁から60㎝くらい離して組み立てます。
従って、塗装面積よりかなり大きくなります。㎡で表されることが多いです。
[飛散防止ネット取付]
足場の廻りをメッシュシートで囲います。近隣に塗料が飛ぶのを防ぎます。
基本的には、足場の面積と同じ数字になります。これも㎡で表されます。
[養生]
窓や車、近隣のフェンス、建物等が汚れるといけない所にビニールや
カーシート等で覆います。㎡または人工で表されることが多いです。
[洗浄]
高圧洗浄機で外壁などの汚れをキレイに取り除きます。
圧力の単位は150㎏/㎠(平方センチメートル)前後になります。
圧力まで明記されているほうがベストです。
但し、外壁の状態によっては圧力をあまりかけられない場合もあります。
[下地調整工事]
下地調整の種類としては、クラック補修(ヒビ割れ)、浮き部分補修、爆裂補修、
欠損部補修鉄部ケレン(錆落とし)などが挙げられます。どんな工法でヒビ割れを
埋めるのか、ケレンはどの程度までするのかなど詳しく明記してもらいましょう。
◆シーリング工事
別名コーキング打ちとも言います。最近の住宅はサイディング貼りの外壁が多くなっています。
サイディングの外壁にはこのシーリング工事は欠かせません。サイディングボードの継ぎ目や
窓廻りなどはシーリングで防水処理されていますので、この工事は絶対に必要な項目となります。
シーリング工事はm数で表示します。そして、深さと幅、打ち替えまたは増打ちがあります。
さらに、使用材料のメーカー名、商品名などが明記されていれば、安心してもよいでしょう。
◆外壁・屋根塗装工事
どちらも基本的には、3回塗りとなります。(材料によっては2回塗りのものもあります。)
下塗り・中塗り・上塗りに分かれます。下塗りの材料名・メーカー名、中塗りの材料名・メーカー名
上塗りの材料名・メーカー名がわかるように明記されている見積書がベストな見積書と言えます。
そして、工法もローラー塗りか、吹付施工なのかも確認しておきましょう。吹付施工の場合
塗料が飛び散り、近隣に迷惑をかける場合もあるので注意しなくてはなりません。いずれにしても
出来るだけ詳細でわかりやすく、一発注者(お客様)の立場に立ったつもりで一式や専門用語は
なるべく使わず、誰でも理解できる見積書を提出する業者が信用できると言えるでしょう。
◆付帯部の塗装工事
塗装工事の中でも一番曖昧になりがちな部分が鉄部・木部などの塗装です。
見積書でよく確認する必要があります。それも、具体的に明記されているか確認しましょう。
たとえば、雨戸の枚数・大きさ・工程など、木部についても、どの部位・工程・塗料の種類・
メーカー名など明記してもらいましょう。塗る部位が抜け落ちていないかしっかり確認することが
大事です。そして、追加工事が出た場合は、業者とよく話し合って金額の交渉をしてください。
後々、塗る部位で「言った」「言わない」の揉め事がおきないように書面にしておくと一目瞭然です。
そして、見落としがちなのがベランダの防水工事です。築年数と劣化状況によっては施工が必要に
なってきますので、その点も施工する・しない、工法・使用材料・メーカー名など、しっかりと
チェックしてから契約を結びましょう。
それでは、実際に見積書を見ながら説明させていただきます。
№1の見積書です。まず、高圧洗浄の項目では洗浄の圧力値が入っていません。
洗浄には外壁の種類によって適切な圧力があります。次に下地調整費ですが、
クラック処理とありますが、どういう工法で施工するのかがわかりません。
外壁塗装の項目では、使用する塗料名、メーカー名の記入がありませんので注意が必要です。
屋根塗装、塀塗装にも使用する塗料、メーカー名が入っていません。そしてタスペーサーという
項目がありますが、一般の方には何のことかわかりませんので作業内容の明記が必要です。
ベランダ防水にしても、工法・使用材料名・メーカー名がありません。
付帯部塗装の項目では、雨戸の大きさ「大・中・小」そして「枚数・単価」が入っていません。
ベランダ手摺、樋などはm数での明記がありません。
№1の見積書をまとめると、一式という項目が多くて大雑把な内容になっています。
そして、大幅な値引は注意が必要です。一言で言うと、信頼性の低い見積書です。
それでは、信頼性のある見積書№2をご覧いただき参考にしてください。
高圧洗浄→圧力値の明記・下地調整費→工法の明記
外壁塗装、屋根塗装、塀塗装→材料名、メーカー名の明記
タスペーサー→作業内容、目的の明記
ベランダ防水→材料名、メーカー名、工程の明記
付帯部塗装→材料名、メーカー名、工程、枚数やm数の明記
諸経費→使用目的の明細
なるべく専門用語は使わず、作業目的、材料名、メーカー名、工程などを明記し、誰が見ても
わかりやすい見積り明細であることが信頼できる見積書と言えるでしょう。
一式という内容では後々のトラブルに繋がる恐れがありますので、注意が必要です。
場合によっては、業者に改めて提出しなおしてもらうことを検討したほうがいいかも知れません。
参考サイト:外壁塗装駆け込み寺